2012年3月1日木曜日

福助 

2012年2月。
池袋から西武池袋線で30分ほど。清瀬である。南口から10分ほど。

僕がHPの運営を手伝っている、うどんスマイルプロジェクトに参加している当店の二月の限定メニューを頂いてみた。
このうどんの売り上げからプロジェクトに寄付金が行く仕組みである。

うどんは、「味噌こうじうどん」である。

麺は、地粉を使った黒い「田舎うどん」と、いわゆる普通のうどんの見た目をしている「白うどん」、どちらでもチョイスできる。

味噌こうじうどんは、汁うどんなので混ざってしまうから不可であるが、ザルうどんは田舎と白の合い盛りも可能なのでとても嬉しい。

マニア向けに書くと、黒用も白用も香川県坂出市の木下製粉という個人経営の製粉会社からの取り寄せである。
坂出市は香川の真ん中に位置し、いわゆる「中讃(ちゅうさん)」と言われるエリアにある。

ここはお隣の丸亀市と並んで、うどんが有名な香川の中でも、特にうどん文化が色濃いエリアであり、うどん屋さんはもちろん、それを支える小企業も沢山有る。

木下製粉は日清製粉などに比べると、小さな規模の製粉会社だが、個人経営ならではの小回りの利く製粉で香川のうどん文化を他の製粉会社と共に支えてきたといっても良いだろう。

福助の店主も、ある日突然うどんを打ち始めてから(このエピソードはいつか書くかもしれない)どんどんうどんにのめり込み、遂に木下製粉に「福助専用ブレンド」を作らせてしまうほどになった。

こういう猪突猛進型の店主が経営する店は結構数多く、これから紹介していけるのが楽しみである。

ともあれ、田舎うどん用の粉は「福助専用」の国産の小麦100%の粉である。

特徴は、味が濃く、深く、そして少し黒い。
黒いうどん、とこれまで書いてきたが、あくまでも普通のうどんとの相対的な比較における話で、実際にイカスミパスタの様に本当に黒いわけではない。しかし、冷凍うどんや、大手チェーンの麺に慣れた現代人の目には黒っぽく見える。

蕎麦には味があるが、うどんには味がない、と思っている人が案外多いのだが、そういう方は福助の麺を食べてみて頂きたい。うどんにも、蕎麦に負けない深い小麦の味わいがあることが分かり、感動すると思う。

今回は、写真ではあまり分からないが、麺は黒うどんをチョイスした。

麹なので、味噌よりは薄い味わいの汁に、しっかりとした味の麺は非常に良く合う。

途中から勧められたガーリックラー油を少々入れて頂いた。
ほぼ全て自家製のお店なのだが、これも自家製。
薬味として本当に面白い機能を果たす。



ご覧になってわかるだろうか。
ラーメン屋に近い、L字型カウンターのみのお店なので、物腰柔らかい女性といつも向き合う。
店主は、常連にも一見さんにも変わらない細かい気配りをしてくれるとても居心地が良い店だ。

残念ながら2月一杯でこのうどんは終わりなのだが、精力的に変わったメニューを出し続けている。来月(2012年3月)はつけカレーうどんだそうだ。

東京都清瀬市竹丘1-2-10
042-457-2929
11時~15時・月曜日定休