2012年7月15日日曜日

うどん太門@名古屋今池(祝開店)に見る名古屋系醤油



本日7月14日は、めでたく名古屋に、「太門」なる讃岐うどん屋が生まれた日だ。


開店おめでとうございます。




さて、太門であるが、前回のブログでご報告したように基本的に讃岐うどん屋なのであるが、


今後名古屋ならではの食材を取り入れ、


讃岐系名古屋うどん」とでも言うべき独自のジャンルを切り開きたい、


と太門店長が言っていたことは取り上げた。




そこで、今回は太門で使用されている独自の醤油について取り上げてみたい。




この、独特の色合いをもつぶっかけの汁。

これは、たまり醤油で出来たものである。

あまり使わない醤油であるが、東海地方ではメジャーとのことだ。


醤油には、濃口醤油、薄口醤油、たまり醤油、白醤油


がある。




さて、それぞれの特徴は


濃口=全体の9割を締める所謂、醤油である。

大豆・麦を半々程度使用する。



薄口=東京ではあまり使わないが、

関西ではなくてはならないし、うどんにももちろん重要である。

昔は東京ではあまり見かけなかったが、今では普通に目にすることができる。
   
大豆・麦を使用するのは濃口と同じだが、原料に酒を使用するのが特徴だ。

塩っ気は濃口より強い。



これら二つは定番。


あまり見ないのが、たまり醤油と、白醤油である。


たまりは、西と東海地方、


白はほぼ東海地方だけで使用される独特な醤油である。



たまり=味噌を造る過程で生じる汁。


従って大豆が主。小麦を原料としないか、含まれていても少量。
   

濃厚な色と、とろりとした感じが特徴。
     

しかし、味は見た目ほどは濃くなく、塩辛さも少ない。


うま味が多いと僕は感じる。


調べたところ、江戸時代に江戸の名産品として、


千葉で濃口醤油造りが始まるまでは、


醤油と言えばこれだったらしい。


来歴から分かるように、以前は醤油屋の産物というよりは、味噌屋の副産物であった。


しかし現在は、醤油屋が、味噌と関係なく造り上げていることが多い。






写真は、太門で使用する、大黒屋・帝国醤油である。


とても小さな醸造所だそうだ。


たまりであるが、カテゴリーは「こいくちしょうゆ」となっている。




白醤油原料が小麦のみの醤油。
     
      
普通の醤油が大豆、小麦半々、
   
たまりが大豆のみ、

白が小麦のみ、

と考えると大体合っている。

      

色は、だし汁くらいしかなく、全然醤油に見えない。


味も、コクのある塩水? という感じだ。


店長によると、傷みが早いので、保存には注意が必要らしい。










さて、その薄さであるが、




同じ光源に当ててみよう。




濃口に比べて圧倒的に薄い薄口がこれ







対して、白醤油はこれだ



如何に薄いかが見て取れるだろう。



器に少量たらすとこんな感じ



更に、他の醤油と比べると歴然である。





比べてみた ↓ ↓ ↓



手前から時計回りに


たまり→薄口→白


の順。


同一の瓶をセットするとこんな感じ


同じ醤油と言っても随分違うんですねぇ。



これら使い分けをして行くそうで、楽しみです。





ところで



太門では、現在基本的に、たまり醤油と、白醤油のみを使用とのこと。



この組み合わせで、讃岐うどんを作っている所なんて聞いたことがない。



名古屋系二大醤油で勝負する讃岐うどん屋。



これは実に面白い店だと思う。


当然ここには、名古屋系食材を使い


「讃岐系名古屋うどん」


を作りたいという店主の意図が込められている。





最後に、名古屋では冷たいうどんを全体的に



「ころうどん」



漢字で書くと



「香露うどん」



と言います。


もちろん、これにも太門では色々な醤油を使ってトライしていくようです。



これは、すだちころ

ダシの名前も変わっているが、名古屋では中身も変わっている



昆布だしを使わず、香川で有名ないりこも使用しない。



メインは、ムロアジと、宗太鰹。


そして、さば節。



太門でも、この点も名古屋風で勝負している。

しかし、また長くなるので、ダシの話はいずれ(^^)/


店長のブログはこれ→http://meriken-udon.blogspot.jp/




ところで、


7月14日はなかなか面白い日で、


石川県の七尾という、讃岐うどん屋が全く無かった場所に


はた坊


というお店が出来たのも、五年前のこの日である。


讃岐うどんが少ない場所に出来たこの二店が奇しくも同じ誕生日。


次回は、はた坊


を取り上げてみたい。


☆☆太門店舗情報☆☆

名古屋市千種区今池5-9-18衣笠ビル 1F
052-753-9338

18~22時(昼はそのうち始める予定)

定休日 月曜日